何となく疲れる、その原因を考えたことありますか。実はかなりのレベルまで解明がされています。
疲労原因を分解するクエン酸サイクルは病気リスクを下げます。血液の汚れは疲れにつながり、体調不良の原因となります。人間の体に備わった素晴らしい機能を知ることは絶対に必要です。
乳酸がたまると疲れる
どうして人間は疲れるのでしょうか。その理由は科学的に解明されています。疲労するときには必ず乳酸という物質が筋肉中に増えてきます。(最近ではカリウムイオンが原因ともいわれています)
この乳酸は全身や部分的にたまります。全身疲労だけでなく、内臓や目の疲れでも乳酸がたまっていることがわかります。その疲労はいくつかの分類がされています。
- 全身が疲れる全身疲労
- 筋肉が疲労する筋肉疲労
- 精神的・脳や神経の疲れである精神疲労
- 急性疲労
- 慢性疲労
急性疲労は激しく体を動かした後に出てきます。普通は一晩休むと疲れは取れます。
いくら休んでもなかなか回復しない場合には慢性疲労で、前の疲労が回復する前に、次の疲労が蓄積してしまいます。
慢性疲労と慢性疲労症候群というものがありますが別のものです。一般的な疲労なら休むだけで回復することができます。
乳酸を取り除くクエン酸サイクルとは
人間の体にはその乳酸を取り除くシステムがあります。それがクエン酸サイクルです。
クエン酸サイクルはイギリスのクレブス博士が発見したため発見したため『クレブスのサイクル』とも呼ばれています。1937年に発表されて1953年にクレブスとリップマンがノーベル賞を受賞しています。
人が食物を取り込むと分解が始まります。そして、栄養素が取り出されて体内に吸収されます。炭水化物はブドウ糖になり、タンパク質はアミノ酸に、脂肪はグリセリンと脂肪酸になります。
消化吸収される器官が異なり、最終的には二酸化炭素と水に分解されて体外に排出されます。
クエン酸サイクルは、その消化吸収のプロセスをさらに明確にし、二酸化炭素と水になる前の過程をさらに詳細にしたものです。
炭水化物が分解
炭水化物はデンプンに分解され最終的にはブドウ糖になります。そのあとに、焦性ブドウ酸という毒性の物質が出てきます。焦性ブドウ酸には体をしびれさせる働きがあります。これが体内にたまると脚気が発症します。
焦性ブドウ酸に水素がつくことによって乳酸となります。乳酸にならなかった焦性ブドウ酸はクエン酸に代わり、クエン酸サイクルに取り込まれることになります。
クエン酸サイクルでは、クエン酸・アコニット酸・イソクエン酸・アルファ・ケト・グルタル酸・コハク酸・フマル酸・リンゴ酸・オキザロ酢酸と段階的に変化し、クエン酸に変わります。
酸が段階的に変化する過程で、ATPと呼ばれるエネルギーが生み出されます。最終的に水と二酸化炭素になり排出されることになるのです。
タンパク質はオキザロ酢酸とアルファ・ケト・グルタル酸から取り込まれ、油分はアルファ・ケト・グルタル酸からクエン酸サイクルに取り込まれます。循環して最終的にクエン酸に戻ることからクエン酸サイクルと呼ばれるようになりました。
焦性ブドウ酸の分解と乳酸減少
焦性ブドウ酸には毒性があり、血液を酸性にするため、たまると病気になりやすくなります。クエン酸サイクルを働かせることで焦性ブドウ酸が分解され減少し、病気にかかるリスクが減ります。
クエン酸を働かせるためにはビタミンB群・酵素の働きが必要不可欠です。この時の酵素は潤滑油の働きがあり生体触媒とも呼ばれます。
焦性ブドウ酸がクエン酸サイクルに取り込まれるとオキザロ酢酸と結合することにより、クエン酸から順番に変化していきます。この時のオキザロ酢酸が少ないとクエン酸サイクルがスムーズに働かず、乳酸が増加します。
ここでクエン酸を加えるとサイクルの循環が活発になり、焦性ブドウ酸の分解が促進されます。焦性ブドウ酸が分解されると乳酸の産出が少なくなります。
乳酸は血液を酸性に傾けて病気になるリスクを高めますが、クエン酸サイクルがしっかり働くと乳酸の産生が少なくなり、血液が弱アルカリ性を保ち、病気になるリスクが少なくなります。
疲れの原因が体調不良の原因
原因不明の病でも焦性ブドウ酸と乳酸が大きな原因になっているのはよくわかりますよね。しかも、原因となる血液の酸化も指摘されています。クエン酸サイクルを知ることが体調不良の改善につながります。放射能時代には絶対に必要な知識です。