健康体の血液のpHは7.4ほどになっています。動脈血のpHは7.40で静脈血は7.35と言われています。アルカリ性になっていて静脈血は0.05ほどpHが低くなっています。
二酸化炭素が溶けて酸になってるためにアルカリが減少したため、と言われています。血液の隅々まで電子を届けて酸化して帰ってきたためにがpHが低下していることがわかります。
健康体ではpH7.4の恒常性を保っています。この恒常性の原因は、血液中の重炭酸塩やリン酸塩、赤血球タンパク質などの作用によるものと考えられています。
pHが下がるとミトコンドリアの機能が停止してしまうので、それを防ぐために骨が溶け塩分などアルカリ成分を放出しpHを保ち、恒常性を維持するため、みかけのpHが変化しないものと推測されます。
アシドーシスは、酸血症または酸中毒とも呼ばれています。血液が酸性になることと考えられがちですが、正しい意味のアシドーシスとは違います。
糖尿病では、アセトンやアセト酢酸などのケトン体の生成が過剰になり血液の酸塩基平衡が崩れます。酸の過剰、塩基の蓄積量の減少した状態をケトーシス、またはアシドーシスと呼んでいます。
この場合でも、血液自体が酸性になるわけではありません。
アシドーシスになると、脳の呼吸中枢が刺激されて呼吸が盛んになり二酸化炭素を体外に排出させることになります。
逆に、アルカリ性に傾いたアルカローシスになると二酸化炭素の排出を抑えます。これが呼吸による酸塩基平衡作用と呼ばれますが、アルカローシスのほうはあまり問題になりません。
体内からは二酸化炭素酸が組織や脂肪の活動の結果生成されます。それでは腎臓の働きで尿を通じて体外に排出されます。その主なものがリン酸であり乳酸やケト酸などです。
これらは物質代謝性酸と呼ばれ、呼吸生産の二酸化炭素とは区別されています。
健康な腎臓の細尿管では、尿が分泌生成される際、水素イオンとナトリウムイオンが交換されて、水素イオンが尿中に出てナトリウムイオンは再利用されてます。こうして腎臓による水素イオン調節が行われているとされています。
また、腎臓では重炭酸イオン(HCO3)を放出し血液の水素イオン濃度を調節しているとされていますが、重曹(NaHCO3)のナトリウム(Na)を消費した結果、重炭酸イオンを放出しているものと考えられます。
腎臓の機能は、ナトリウムの電子を還元剤として消費し、酸化した血液を還元し浄化させる機能と理解できます。
つまり、透析で重炭酸イオンを投与しても回復できないことになります。原因と結果を取り違えた結果、有害無益な治療になっています。腎臓の機能を誤解しているのだから、「腎臓は一度悪くなったら治らない」と結論づけ、思考停止するのも納得です。
糖尿病は、腎機能の障害のために血液中の水素イオンが尿中に排出されないためアシドーシスが起こるのが原因と考えられています。
糖尿病の場合、食べた脂肪分が十分に代謝されないために酸ができ、これが血液のアシドーシスを起こします。血中糖分の調節を測る膵臓のホルモンの欠乏が原因だと一般には言われています。
膵液の成分は重曹・塩分なので、これらが不足しているものと考えるのが妥当です。
糖尿病によるpHの低下は、精神機能に障害をきたし、激しい時には昏睡状態に陥るともされています。血液pHを無視すれば糖尿病は治りません。
組織液がpH6.9になっても血液のpHはそれほど下がるものとは考えられないと言われています。それは骨が溶けてpHを維持しているからであり、この状態を維持するのは好ましくありません。
血液のpHは直接、人間の健康や病気に関係しています。
08 血液の成分についてにつづく