血液の組成について、最近の見解を見ていきます。
血液の全量
血液の量は、体重の約5%にあたり、体重60 kg の人には3L〜4Lの血液があることになります。
赤血球の大きさ
直径の平均7.3μm厚さ2μmの円盤状です。一つの平均の容積は82〜92μ㎥です。
ヘモグロビンの平均濃度は32〜37%。
凝固した血液が再び溶けるまでにかかる時間は1〜3時間で始まり、完全に溶けるには24時間かかります。
赤血球の破壊
0.45〜0.38%の食塩水で赤血球の破壊が始まり 0.36〜0.30%の食塩水中で完全に壊れます。
ヘマトクリット
血液の全容積に対する血球の容積の割合です。
メモリのある毛細ガラス管に凝固を防止した血液を入れて遠心分離すると血球が沈殿します。
この大部分は赤血球ですが、上方の血清と下方に沈殿したものの割合です。
すなわち、赤血球の割合のことで、男では40〜54%、女では37〜47%で男のほうが大きくなっています。
ヘモグロビン
男は14〜18mg 女は12〜14mgです。
男子のヘモグロビンは女性に比べてやや多くなっています。
男は女に比べて酸素消費量や活動性が大きいことを示しているとされています。
血小板数
1㎥中20万〜40万とされています。
血小板は血液凝固に役立ち、骨髄の巨大細胞から血管壁を通して団子をちぎるようにして、血小板を血液中に出すものだと研究者は思い込んでいます。
血小板は、赤血球やその他の細胞の破片です。血小板数は変化しやすく、決定的な数値は出すことができないことが知られています。
プロトロンビン
75〜125%です。
血液凝固の際に役に立つ一種のたんぱく質のことで、トロンボーゲンとも呼ばれています。
赤血球数
男の場合1㎥中、 450万〜620万、女は400万〜550万です。
男の赤血球は女の赤血球に比べて小さいです。表面積をできるだけ大きくし、 酸素消費量の大きくなりがちな男の活動に適用させているためと考えられています。
網上赤血球の割合
全ての赤血球中の0.5〜1.5%です。
赤血球を超生体染色すると、赤血球の網の目のような不規則が赤血球内にあり、若い赤血球だと考える学者もいます。
老化した赤血球で正常体では少なく、病気になるとこの赤血球が多くなります。組織細胞の栄養不足によって逆分化し赤血球の形に戻ったものと推定されます。
血球沈降速度
1時間に20 mm 以下、または0〜100 mmです。
白血球について
1㎥中5000個〜10000個になっています。以下の割合は全白血球数に対する割合です。
この骨髄細胞数は0
バンド上中性嗜好性白血球 0〜5%
エオジン嗜好性白血球 1〜3%
くびれた中性子構成白血球 40〜60%
リンパ球 20〜40%
塩基好性白血球 0〜1%
単球 4〜8%
白血球は赤血球から分化して生じたものです。白血球の種類に複数あるのは、その細胞環境と細胞の若い老いの差によるものです。
一般にリンパ球やエオジン好性白血球は若いもので、老いたものは塩基好性に変わります。中性好性は正常の分化コースと逆分化コースのどちらにも出現する可能性があります。
リンパ球・エオジン好性白血球(若)
↓ ↑
中性好性白血球
↓ ↑
塩基好性白血球(老)
血球や血漿血清の化学的成分
健康体のとき、飢餓時、状況によって化学的成分が違ってきますので一概には決められません。
血漿中のタンパク質はアルブミン・グロブリン・フィブリノーゲンの3つです。
グロブリンは更にα1、α2、β1、β2、γ に分けられます。
アルブミン
グロブリン α1
グロブリン α2
グロブリン β1
グロブリン β2
グロブリン γ
フィブリノーゲン
09 赤血球の寿命につづく