健康になりたいと望んでも骨を考えなければ無意味です。専門家と言われる医師でも内蔵ばかりに気を取られています。
健康を維持する上でも骨には大きな役割があります。どれだけ重要な役割を担っているのでしょうか。
骨格と内臓保護
骨の役割でおなじみなのが体を構成し支える骨格としての存在。わかりやすく骨の重要な役割の一つ。体を支えてくれなければ立つことすらできなくなってしまいます。
他にも、脳や内臓を守る役割があります。頭は頭蓋骨にすっぽり収まる形で保護されていて、心臓・肺・肝臓などの内臓も胸椎・肋骨・胸骨といった骨によって囲まれ衝撃から守られています。
血液・免疫
骨には血液を作る機能がある、と言われ、骨の中心部にある骨髄という組織が血液の生産工場になっています。造血細胞があって赤血球・白血球・血小板などの血球が作られるというのが従来の学説です。この学説は古いものと思われますがそれでも骨と血液の関係は深いです。
白血球も血小板も別々に作られるものではなく、もともとは赤血球から形を変えたものです。
白血球はNK細胞・Bリンパ球・Tリンパ球など様々な種類があります。血液やリンパ液の中を動き回り、異物や快適な侵入していないかどうかを監視し、それらを発見した場合は取り除いて排除する機能があります。これが免疫システムとよばれるもので、骨の健康状態は免疫力とほぼ比例し、骨が強い人間は免疫力が強く病気になりません。
ミネラルの貯蔵
さらに、ミネラルの貯蔵庫としてその出し入れをコントロールする役割があると言われています。
体内にあるカルシウムの99%は骨や歯に存在するといわれています。残りの1%は血液や体液の中に含まれています。この1%のカルシウムは全身60兆個の細胞の生命活動を維持する上で大きな役割を担っています。
血液中のカルシウムが常に一定の濃度に保たれて筋肉の収縮や弛緩をコントロールしたり、情報の伝達に関わったり、出血を止めたり、血液や体液の体液のpHを調節したり、ホルモンを分泌したり・・・など、様々な機能に関わっています。
骨以外に存在する1%のカルシウムが大切で、1%より多すぎても少なすぎてもいけません。この1%のカルシウムをコントロールするために、
- 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)
- 甲状腺ホルモン(カルシトニン)
- 女性ホルモン(エストロゲン)
が機能しています。
首の気道を取り囲むように存在する甲状腺の裏側にあるのが副甲状腺で、大きさは米粒ほどで、重要なホルモンが分泌されています。血液中のカルシウム不足を発見すると、副甲状腺からホルモンを分泌し、カルシウムの補給を求めます。
このホルモンが出ると骨のカルシウムが溶け出して血液中に流れ込みます。骨からカルシウムが溶け出て1%のカルシウムをコントロールしているのです。
甲状腺ホルモンには、骨を溶かす骨吸収を抑制する働きがあります。骨からカルシウムが溶け出さないようにして骨のカルシウムの沈着を促します。副甲状腺ホルモンと正反対の働きをします。
甲状腺ホルモンと副甲状腺ホルモンのバランスが崩れると骨自体のトラブルが起こったり、血液中のカルシウムが持つ重要な役割に支障をきたします。
女性ホルモンと骨
骨からカルシウムが溶け出さないようにするもう一つのホルモンが女性ホルモン。
女性ホルモンというと女性らしさに関わるイメージが一般的です。女性ホルモンは女性だけが持つものではなく、男性も分泌しています。女性らしさを作るだけでなく、骨にとっても重要なホルモンです。女性ホルモンは、副甲状腺ホルモンの分泌を促進させ、骨からカルシウムが溶け出さないようにします。
男性よりも女性のほうが骨粗しょう症が圧倒的に多いと言われているのは、この女性ホルモンの分泌量が少ないことにあります。
男性は女性ホルモンを分泌してはいますが、年齢を重ねてもそれほど変化しません。女性の場合は閉経によって女性ホルモンの分泌量が一気に減少します。甲状腺ホルモンをサポートしてくれる存在がいなくなり、骨からカルシウムが溶け出しやすくなるのです。
骨の増加減少が健康にかかわる
骨吸収と骨形成と似た、脱灰・再石灰化・異所性石灰化という3つの言葉があります。
血液中のカルシウム量が足りなくなり、骨に貯蔵してきた分を引き出すのが『脱灰(だっかい)』
使い終わったカルシウムが再び骨に戻されるのが『再石灰化(さいせっかいか)』です。
脱灰と再石灰化のバランスが崩れると再石灰化が適切に行われなくなります。
骨以外の場所にカルシウムが蓄積し『異所性石灰化(いしょせいせっかいか)』が生じます。
この異所性石灰化が、現代人が見舞われている健康問題のすべてに関わっていると指摘する人もいます。にもかかわらず、ほとんどの医療専門家がこの事実を認めようとせず善意で病人を増やし、病人を処理しきれず、最後には自分で自分の首をしめることになります。
骨格だけじゃない骨
骨格を構成しているだけが骨の役割ではありません。造血、ホルモンの分泌・コントロールしたりする役割があります。その中心的な存在としてカルシウムがあり、私たちの健康状態を保っているのです。
この役割を知るだけでも、健康のために骨を丈夫するべきなのはお分かりいただけるでしょう。食生活の改善によって頑丈な骨を作り出したいものです。