ビオチン(ビタミンB7のこと)というビタミンも人工的に作られています。皮膚や髪の毛にやさしいと言われており、企業は積極的に人工的に作り出しています。
その一方で家畜用飼料にされています。箱の中でストレスの溜まった家畜のストレスを減少させられると言って、ビオチンを積極的に投与しています。
といっても、人工的に作られたものなので自然なものでないのは当然です。『カラクサケマン』という植物に含まれるフマル酸を抽出し、実験室で作るのです。
これと同様に人工的に葉酸を作り出すことにも成功しています。科学者というのは自然科学者ですから。自然については詳しいです。自然界の物質をちょろっと組み替えて、いっけん体に良さそうなものを作り、お金をもうけているわけです。
葉酸の作りかた
葉酸というビタミンは、最近になってから注目され始めてきました。ちょっとしたブームにもなっているかもしれません。生まれてくる胎児の健康にいい、ともいわれています。
もちろんこの葉酸も、人工的に作り出しているのが企業。ビタミン剤と違うのは、葉酸の原料になるものは自然界には存在しない点です。遺伝子組み換え菌によっても作れません。しかし科学者は、思いもよらない方法で作り出すことに成功しました。
葉酸は『プテリジン』という成分から構成されています。これを作るには自然の材料を持ってくるしかありません。天然の材料というものは、野菜とか果物ではありません。動物の死体を使うのです。
それが『ウシガエル』です。
このウシガエルをひたすら煮込みます。これをアルコールやエーテルで消毒。そして脂肪分を取り除きます。これでカエルのジャムのでき上がりです。
このスープからクロマトグラフィーを行いプテリジンを分離。これで出来上がったのが葉酸製剤です。果たしてこんなものが、おなかの中の赤ちゃんにいい結果をもたらすのでしょうか。
アメリカやヨーロッパ人の母親は頭がどうかしているのかもしれません。日本人も例外ではありませんが・・・。
ビタミンB12の作りかた
ビタミンB12の生産は動物の死体や腐泥からでき上がります。その中から有機物質を取り出しているのですが、ここで問題になるのは『腐泥』です。
腐泥とは、汚水処理場に見られる分解した有機物を含む沈殿物のこと。早い話が汚い泥のことです。化学処理をするにはかなりのコストがかかります。動物の死体からビタミンB12を作るのは金がかかりすぎるので、別の方法を考え出した人がいます。
『アグロバクテリウム・ラジオバクター』という微生物の遺伝子操作をすることにより、ビタミンB12の生産に成功したのです。ビタミンCの製作にも遺伝子工学が介入してくる時代です。
ビタミンCの作りかた
ビタミンCは免疫力を高めることになっているので大変な人気があります。需要が多いために、天然の野菜や果物なんかではコストがかかりすぎて生産が追いつきません。
ビタミンC1kgを手に入れるためには、キャベツで1トン、レモンなら2トンが必要です。市場のビタミンCを賄うためには、1億6000万トンのレモンが必要になります。これじゃ、費用がかかりすぎてしまいますよね。
ビタミンCの合成はブドウ糖を原料にして、アセトバクター科の微生物を使います。アメリカでは、『エルヴィニア・ヘルビコーラ』という微生物を使うことによって、6時間かかるところをなんと、2時間に短縮しました。
お金と人件費の節約のためならば、今以上に驚くべき方法でビタミンや葉酸が作られることでしょう。信じるか否かはあなた次第ですけどね・・・。